EC2インスタンスタイプの選び方

EC2インスタンスタイプの命名規則やファミリーごとの特徴を理解し、ワークロードに最適なインスタンスを選択する方法を学びます。

学習順Step 14 / 46サービスEC2試験ドメインパフォーマンス

インスタンスタイプとは

EC2インスタンスを起動する際、CPU・メモリ・ストレージ・ネットワーク性能の組み合わせを「インスタンスタイプ」として選択します。アプリケーションの要件に合わせて適切なタイプを選ぶことが、パフォーマンスとコストの両立に不可欠です。


インスタンスタイプの命名規則

インスタンスタイプ名は「ファミリー+世代」と「サイズ」の組み合わせで表されます。

例えば t2.micro の場合:

部分 意味
ファミリーと世代 t2 T系ファミリーの第2世代
サイズ micro 最小構成(1 vCPU、1 GiBメモリ)

サイズは nano < micro < small < medium < large < xlarge < 2xlarge ... と大きくなり、CPUやメモリもそれに比例して増加します。


vCPUの仕組み

EC2のスペック表でよく目にする「vCPU」は、物理CPUコアの中で動作するスレッドを1単位としてカウントしたものです。

たとえば物理コアが2個あり、各コアが2スレッドを処理できる場合、vCPU数は 4 となります。vCPUの数が多いほど、並列処理の能力が高くなります。


インスタンスファミリーの分類

ワークロードの特性に応じて、以下のファミリーから選択します。

汎用(General Purpose)

  • 代表的なファミリー: T3, M5, A1
  • 特徴: CPU・メモリ・ネットワークのリソースがバランスよく配分されている
  • 適したワークロード: Webサーバー、コードリポジトリ、開発・テスト環境、小〜中規模のデータベース
  • 補足: T系はバースト性能モデルを採用しており、負荷が低い時にCPUクレジットを蓄積し、必要な時にベースライン以上の性能を発揮できる

コンピューティング最適化(Compute Optimized)

  • 代表的なファミリー: C5, C6g
  • 特徴: 高クロック・高コア数のプロセッサを搭載し、CPU集約型の処理に強い
  • 適したワークロード: バッチ処理、メディアトランスコード、高性能Webサーバー、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、科学計算、機械学習推論

メモリ最適化(Memory Optimized)

  • 代表的なファミリー: R5, X1, z1d
  • 特徴: メモリ容量が大きく、大規模データセットをインメモリで処理するワークロードに最適
  • 適したワークロード: インメモリデータベース(SAP HANAなど)、リアルタイムビッグデータ分析、大規模キャッシュサーバー

ストレージ最適化(Storage Optimized)

  • 代表的なファミリー: I3, D2, H1, I3en
  • 特徴: ローカルストレージに対する高速な読み書き性能を提供
  • 適したワークロード: データウェアハウス、分散ファイルシステム、大規模ログ処理、数万IOPSが必要なランダムI/Oアプリケーション

高速コンピューティング(Accelerated Computing)

  • 代表的なファミリー: P3(GPU), Inf1(推論チップ), G4(GPU), F1(FPGA)
  • 特徴: GPU・FPGA等のハードウェアアクセラレーターを搭載
  • 適したワークロード: 機械学習トレーニング・推論、浮動小数点計算、グラフィックス処理、動画エンコーディング

物理ホスト対応のインスタンス

特定のコンプライアンス要件やライセンス要件がある場合、物理サーバーレベルの制御が可能なオプションを選択できます。

タイプ 特徴
ハードウェア専有インスタンス 専用の物理ハードウェア上で動作するが、同一AWSアカウント内の他インスタンスとはハードウェアを共有する可能性がある
Dedicated Host 物理サーバー全体を占有し、サーバーに紐付いた既存ソフトウェアライセンスを利用可能
Bare Metal 基盤となるサーバーのプロセッサとメモリに直接アクセスでき、OSがハードウェアに直接アクセスする

インスタンスタイプ選定のポイント

  1. ワークロードのボトルネックを特定する: CPU・メモリ・ストレージ・ネットワークのどれがボトルネックかを把握し、対応するファミリーを選ぶ
  2. 最新世代を選ぶ: 同じファミリーでも新しい世代ほど価格性能比が良い(例:m5よりm6iが効率的)
  3. 適切なサイズから始める: CloudWatchやCompute Optimizerでリソース使用率をモニタリングし、必要に応じてサイズを変更する
  4. 無料利用枠を活用: 検証目的なら、無料枠対象のt2.microやt3.microから始める

重要ポイント

  • インスタンスタイプ名はファミリー・世代・サイズで構成される
  • 汎用(T/M系)はバランス型で幅広い用途に対応
  • コンピューティング最適化(C系)は高CPU処理向け
  • メモリ最適化(R/X系)は大規模データセット処理向け
  • vCPUはスレッド単位の仮想CPUでインスタンスの処理能力を示す

このトピックの学習を完了しますか?

完了状態はいつでも切り替えられます