Route 53 ルーティングポリシーの比較(SAA 向け)

シンプル・加重・レイテンシー・位置情報・地理的近接性・フェイルオーバー・マルチバリュー・IP ベースの違いと、試験で引っかかりやすい境界を表で整理します。

学習順Step 21 / 69サービスVPC試験ドメイン弾力性

ルーティングポリシーで決まること

レコードセット にルーティングポリシーを選ぶと、「この名前への DNS 応答を、どのルールで組み立てるか」が決まります。試験では 要件のキーワード(遅延、地理、比率、障害時の切替、複数 IP の健全性)と 正しいポリシーのマッチングが中心です。

一覧比較(俯瞰)

ポリシー ざっくりした挙動 典型要件語
シンプル 1 つの標準的な応答(同一名前に複数値を載せることも可能だが「振り分けルール」は持たない) 単一エンドポイント、検証環境、最も単純な公開
加重(Weighted) 重みに比例してどのレコードが選ばれるかが変わる カナリア、段階的移行、A/B
レイテンシー(Latency) クライアントから見てレイテンシーが小さいリージョンのエンドポイントを返す マルチリージョンで「近い方へ」
位置情報(Geolocation) クエリ元の地理的位置に応じて返すレコードを変える 国/大陸別のサイト、ライセンス境界
地理的近接性(Geoproximity) トラフィックフローで、リソースの「場所」とバイアスを考慮して寄せる 複数リージョンの勢力範囲をずらしたい
フェイルオーバー(Failover) プライマリが不健全ならセカンダリ アクティブ/パッシブ DR
マルチバリュー(Multivalue) 最大 8 件の健全な値をランダム風に返す。各値にオプションでヘルスチェック 単純な冗長 IP の提示(※後述)
IP ベース 送信元 IP の CIDR でどのレコードを使うか上書き 特定 ISP/拠点のみ別経路、他ポリシーへの上書き

深入り: 混同しやすいペア

レイテンシー vs 地理的近接性

  • レイテンシー計測された遅延を基準に「今どのリージョンが近いか」に寄せるイメージが強い。
  • 地理的近接性トラフィックフローで、AWS リソースの所在地や座標、バイアスで「寄せたい範囲」を調整。**「地図上の近さ」と「AWS のリージョン選択」**を別次元で扱える。

試験文で **「バイアス」「トラフィックフロー」**が出たら地理的近接性を疑う、が有効です。

位置情報 vs 地理的近接性

  • 位置情報DNS クエリの発信地理(国・大陸など)でどのレコードを返すか決める。コンテンツの配信権限やローカライズの文脈で出やすい。
  • 地理的近接性トラフィックフロー前提で、複数リージョンにまたがる「寄せ」の微調整

加重 vs レイテンシー

  • 加重意図した比率(例: 90% 新、10% 旧)。遅延は直接は見ない。
  • レイテンシー近い方が主目的。比率やカナリアには向かない。

マルチバリュー vs ELB

マルチバリュー複数の IP をクライアントに返し、クライアント側の選択に任せるイメージに近く、L4/L7 のロードバランサの代替ではありません。説明文に「ELB の代わり」が出たら誤答フラグ、が安全です。ただし IP 単位のヘルスチェック不健全な値を除外できる点は試験で区別されます。

IP ベースルーティング

送信元が分かっている前提で、細かく経路を分けたいときの上乗せポリシーです。位置情報ルーティングの上書きISP 単位の振り分けなどの説明とセットで資料に載ることがあります。

Traffic Flow(トラフィックフロー)の位置づけ

複数ポリシーを 視覚的なフローで編集・再利用するための機能です。地理的近接性など一部のポリシーはここからになる、という整理が試験対策になります。細部の UI 操作より、「複雑な分岐をまとめて設計する」という目的を覚えておけば足りることが多いです。

シナリオ別の即応表(暗記の代わり)

問題文のニオイ 先に疑うポリシー
障害時にセカンダリへ、プライマリはヘルス必須 フェイルオーバー
ユーザーを最寄りリージョンへ(遅延最小) レイテンシー
国ごとに別サイト/権利で出し分け 位置情報
90/10 のトラフィック分割 加重
複数 IP を返すが ELB は置きたくない/簡易冗長 マルチバリュー(ただし限界を理解する)
リージョン間の「勢力範囲」をバイアスで調整 地理的近接性(+トラフィックフロー)
特定ソース IP 帯だけ別エンドポイント IP ベース

あわせて読む(サイト内)

公式ドキュメント(短い導線)

重要ポイント

  • シンプルは単一または同答の静的な割当、加重は比率、レイテンシーは遅延最小のリージョン志向
  • 位置情報はクエリ元の地理、地理的近接性はトラフィックフローでバイアスを付けた近接制御
  • フェイルオーバーはプライマリ/セカンダリとヘルスチェックの組が核
  • マルチバリューは複数値返却+オプションで IP 単位ヘルス—ELB の代替ではない
  • IP ベースは送信元 CIDR で上書き、既存ポリシーに追加ルールを重ねる文脈で出る

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