EC2 インスタンスタイプ【T2/M5/C5 料金・用途比較・選択基準】

EC2 インスタンスタイプの料金・ファミリー比較(T/M/C/R/I)。バースト性能、ライセンス互換性、試験での判断基準。

学習順Step 30 / 91サービスEC2試験ドメインパフォーマンス

インスタンスタイプとは

EC2インスタンスを起動する際、CPU・メモリ・ストレージ・ネットワーク性能の組み合わせを「インスタンスタイプ」として選択します。アプリケーションの要件に合わせて適切なタイプを選ぶことが、パフォーマンスとコストの両立に不可欠です。


インスタンスタイプの命名規則

インスタンスタイプ名は「ファミリー+世代」と「サイズ」の組み合わせで表されます。

例えば t2.micro の場合:

部分 意味
ファミリーと世代 t2 T系ファミリーの第2世代
サイズ micro 最小構成(1 vCPU、1 GiBメモリ)

サイズは nano < micro < small < medium < large < xlarge < 2xlarge ... と大きくなり、CPUやメモリもそれに比例して増加します。


vCPUの仕組み

EC2のスペック表でよく目にする「vCPU」は、物理CPUコアの中で動作するスレッドを1単位としてカウントしたものです。

たとえば物理コアが2個あり、各コアが2スレッドを処理できる場合、vCPU数は 4 となります。vCPUの数が多いほど、並列処理の能力が高くなります。


インスタンスファミリーの分類

ワークロードの特性に応じて、以下のファミリーから選択します。

汎用(General Purpose)

  • 代表的なファミリー: T3, M5, A1
  • 特徴: CPU・メモリ・ネットワークのリソースがバランスよく配分されている
  • 適したワークロード: Webサーバー、コードリポジトリ、開発・テスト環境、小〜中規模のデータベース
  • 補足: T系はバースト性能モデルを採用しており、負荷が低い時にCPUクレジットを蓄積し、必要な時にベースライン以上の性能を発揮できる

コンピューティング最適化(Compute Optimized)

  • 代表的なファミリー: C5, C6g
  • 特徴: 高クロック・高コア数のプロセッサを搭載し、CPU集約型の処理に強い
  • 適したワークロード: バッチ処理、メディアトランスコード、高性能Webサーバー、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、科学計算、機械学習推論

メモリ最適化(Memory Optimized)

  • 代表的なファミリー: R5, X1, z1d
  • 特徴: メモリ容量が大きく、大規模データセットをインメモリで処理するワークロードに最適
  • 適したワークロード: インメモリデータベース(SAP HANAなど)、リアルタイムビッグデータ分析、大規模キャッシュサーバー

ストレージ最適化(Storage Optimized)

  • 代表的なファミリー: I3, D2, H1, I3en
  • 特徴: ローカルストレージに対する高速な読み書き性能を提供
  • 適したワークロード: データウェアハウス、分散ファイルシステム、大規模ログ処理、数万IOPSが必要なランダムI/Oアプリケーション

高速コンピューティング(Accelerated Computing)

  • 代表的なファミリー: P3(GPU), Inf1(推論チップ), G4(GPU), F1(FPGA)
  • 特徴: GPU・FPGA等のハードウェアアクセラレーターを搭載
  • 適したワークロード: 機械学習トレーニング・推論、浮動小数点計算、グラフィックス処理、動画エンコーディング

物理ホスト対応のインスタンス

特定のコンプライアンス要件やライセンス要件がある場合、物理サーバーレベルの制御が可能なオプションを選択できます。

タイプ 特徴
ハードウェア専有インスタンス 専用の物理ハードウェア上で動作するが、同一AWSアカウント内の他インスタンスとはハードウェアを共有する可能性がある
Dedicated Host 物理サーバー全体を占有し、サーバーに紐付いた既存ソフトウェアライセンスを利用可能
Bare Metal 基盤となるサーバーのプロセッサとメモリに直接アクセスでき、OSがハードウェアに直接アクセスする

インスタンスタイプ選定のポイント

  1. ワークロードのボトルネックを特定する: CPU・メモリ・ストレージ・ネットワークのどれがボトルネックかを把握し、対応するファミリーを選ぶ
  2. 最新世代を選ぶ: 同じファミリーでも新しい世代ほど価格性能比が良い(例:m5よりm6iが効率的)
  3. 適切なサイズから始める: CloudWatchやCompute Optimizerでリソース使用率をモニタリングし、必要に応じてサイズを変更する
  4. 無料利用枠を活用: 検証目的なら、無料枠対象のt2.microやt3.microから始める

Graviton(Arm)系ファミリー

AWS Graviton2/3 ベースの M6g、C6g、T4g などは Arm アーキテクチャです。料金性能がよい文脈で選ばれますが、アプリケーションが Arm 対応バイナリである必要があります。試験では「コスト削減で Graviton に載せ替えたい」というシナリオで、互換性確認が正解の一部になります。

T 系のバースト(試験のキーワード)

T3/T4g などは CPU クレジットベースラインを超えるバーストを行います。長時間フル CPU が必要なワークロードには不向き、という誤答(T 系を常時フル稼働用途に選ぶ)が出やすいです。

📊 インスタンスタイプ別コスト比較(東京リージョン参考値)

注記: 以下は 2024 年時点のオンデマンド料金参考値です。正確な数字は AWS EC2 料金ページ で確認してください。

タイプ vCPU メモリ 月額(730 h) 用途 特徴
t3.small 2 2 GiB $15~20 開発・テスト CPU クレジット制、バースト可能
t3.medium 2 4 GiB $25~30 低トラフィック Web クレジット枯渇で性能低下 ⚠️
m5.large 2 8 GiB $70~80 標準 Web/APP 安定性重視、バースト不要
m5.xlarge 4 16 GiB $140~160 中規模 APP 汎用の次サイズ
c5.large 2 4 GiB $85~100 CPU 集約(バッチ・ML) M系より高性能、メモリ少ない
c5.xlarge 4 8 GiB $170~200 高性能 Web・API M系と同等コスト、CPU 倍
r5.large 2 16 GiB $150~170 インメモリ DB メモリ重視(キャッシュ・検索)

試験出題ポイント

Q: コスト削減のため、t3.medium → m5.medium に変更したい。起こりうる問題は?

  • 答え:月額コスト増加(t3: $25 → m5: $70)
  • CPU クレジット制度の誤解:T系は「安い」ではなく「低トラフィック向け」

Q: 24/7 フル稼働の Web サーバーに T3 を選んだが、夜間に性能低下する。対応は?

  • 答え:T系は不適切M系(m5/m6i)に変更
  • クレジット不足で throttle される

🔄 同ファミリー・世代での比較(サイズの選び方)

例:m5 ファミリー

サイズ vCPU メモリ 実測価格 メモリ/vCPU
m5.large 2 8 $70 4 GiB
m5.xlarge 4 16 $140 4 GiB(同比率)
m5.2xlarge 8 32 $280 4 GiB(同比率)

試験ポイント:スケーリング比が線形 → スケール時の予測可能性が高い


⚖️ T 系 vs M 系の選択マトリックス(試験頻出)

シナリオ 選択 理由
開発・テスト環境(使用頻度低) T3 コスト最小化
低トラフィック Web(突発的ピーク許容) T3 クレジットでカバー
安定 SaaS アプリ(24/7 稼働) M5/M6i クレジット枯渇回避
バッチ処理(CPU 集約、時間制限あり) C5 CPU 性能重視、コスト効率
キャッシュ層・インメモリ DB R5 メモリ重視

よくある誤答パターン(SAA)

誤答になりやすい文 正しい読み方の方向
「メモリ不足なので C 系にする」 メモリ最適化(R/X 系)やサイズアップ
「ディスク I/O だけ不足なので インスタンスタイプを最大に EBS のタイプ/IOPS やアプリ設計も検討
Dedicated Host は常に最安」 ライセンス・コンプライアンスが主目的のことが多い
「コスト削減で T2 → T3 に変更」 両方とも CPU クレジット制。単なる世代更新、クレジット余剰なら効果薄い
「常時フル稼働サーバーに T3 を選んだ」 T 系は低トラフィック向けM 系に変更必須

公式ドキュメント(深掘り)

重要ポイント

  • インスタンスタイプ = ファミリー(用途別)+ 世代(最新優先)+ サイズ(vCPU/メモリ)
  • 汎用(T/M系)= バランス型、Web サーバー・開発環境
  • コンピューティング最適化(C系)= CPU 集約、バッチ・ML 推論
  • メモリ最適化(R/X系)= インメモリ DB、リアルタイム分析
  • T3/T4g は CPU クレジット制 — 常時フル稼働には不向き

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