S3 料金体系【計算例・試験頻出パターン・EBS比較】

S3 の料金 5 柱(ストレージ・リクエスト・取得・転送・管理)と具体的な計算例。IA/Glacier の落とし穴、EBS/EFS との比較、試験出題パターン。

学習順Step 42 / 91サービスCost試験ドメインコスト最適化

課金の柱を分けて考える

S3 のコストは次のように 分解して見積もる と設計や試験の選択肢が整理しやすいです。

  1. ストレージ … 保存バイト数と ストレージクラス(Standard、IA、Glacier など)。クラスごとに 単価・最低保存期間・取得料 が異なります(詳細は「S3ストレージクラス」のトピック)。
  2. リクエストPUTGETLIST など 操作の種類 ごとに課金されます。大量の小ファイルやリストの多用は、ストレージ以上にリクエスト料が効くことがあります。
  3. データ取得 … 低頻度クラスやアーカイブ系では 読み出し GB 単位 の料金が加算される場合があります。
  4. データ転送同一リージョンの AWS サービス間インターネットへのアウト など、経路によって課金有無が変わります。イン(アップロード) は多くの一般的なパターンで課金対象外ですが、常に 最新の料金表と無料枠 を確認してください。

利用量に応じた単価(ティア)

ストレージ量が増えると 段階的に GB 単価が下がる ボリュームディスカウントがあるカテゴリがあります。設計では「総容量がしきい値を超えると単価が変わる」という 見積もりの粒度 を意識します。

リクエスタ支払い(Requester Pays)

通常、バケット所有者が ストレージとダウンロードに伴うデータ転送 を負担します。リクエスタ支払い を有効にすると、データのダウンロードに伴う転送料金を、リクエストした AWS アカウント側に請求 できるモードになります。大きなデータセットを 第三者に配布 する際、提供者が転送コストをすべて持たない ようにしたい場面で検討されます。利用には リクエスト側が意図的にリクエスタ支払いを指定 する必要があり、匿名アクセスとは相性が悪い場合があります。

コスト最適化との接続

ライフサイクルでアクセス頻度に合わせクラスを下げる、Intelligent-Tiering でパターン不明なデータを任せる、不要なバージョンや不完全マルチパートを掃除 する、転送経路を同一 AZ 内に寄せる など、他トピックの施策とこの料金モデルを対応づけて覚えると試験対策になります。

📊 具体的な料金計算例(東京リージョン参考値)

注記: 以下は 2024 年時点の参考値です。正確な数字は AWS S3 料金ページ で確認してください。

シナリオ 1:1 TB のアーカイブデータを 6 ヶ月保管して 1 回だけ取り出す

クラス 月額ストレージ 最低保存料 取得料 合計 備考
Standard $23.55 × 6 = $141.3 - - $141.3 最安
Standard-IA $12.6 × 6 = $75.6 $30(最低 30 日) $102.4 $208 ⚠️ 取得料で逆転
Glacier Flexible $4.1 × 6 = $24.6 $50(最低 90 日超過) $102.4 $177 アクセス 48h
Glacier Deep Archive $1.05 × 6 = $6.3 $100(最低 180 日超過) $102.4 $208.7 アクセス 12h

試験出題ポイント:「1 回だけ取り出すなら Standard が最安」という落とし穴。IA系は最低保存期間 × 常時課金が効く。

シナリオ 2:100 GB のホットデータを 1 年保管(毎日 1000 リクエスト)

項目 単価 月額 年額
ストレージ (Standard) $0.023/GB $2.3 $27.6
PUT/POST リクエスト $0.005/1000 $0.15 $1.8
GET リクエスト $0.0004/1000 $0.012 $0.144
合計 - $2.45/月 $29.5/年

試験出題ポイント:「大量の小ファイルアクセス」ではリクエスト料が無視できない


🔄 S3 vs EBS vs EFS:コスト比較

特性 S3 EBS EFS
課金モデル 従量課金(保存 GB・リクエスト数) 容量固定月額 使用量課金
100 GB/月の場合 $2.3 $15-20 $3-5
アクセス速度 HTTP/HTTPS(ms 単位) ブロック(µs 単位) NFS マウント(低遅延)
用途 オブジェクト保管、バックアップ、ログ EC2 ルートボリューム、DB ストレージ Linux サーバーの共有ストレージ
データ転送料 インターネットアウト課金 VPC 内無料 VPC 内無料

試験出題ポイント

  • 「静止データを安く保管」→ S3 + ライフサイクル
  • 「DB トランザクショナルストレージ」→ EBS
  • 「複数サーバーで共有」→ EFS
  • 「クロスリージョン冗長化」→ S3 複製(転送料注意)

正確な数字は公式で

リージョンや時期で単価が変わるため、具体的な USD/GB は AWS の公式料金ページ で確認してください。本ページでは 課金の考え方 にとどめています。

ストレージクラスごとの「追加コスト」の癖

試験の長文では、保管単価だけでなく次の語がセットになります。

  • Standard-IA / One Zone-IA最低保存日数データ取得料(読み出し GB)。
  • Glacier 系最低保存日数取り出しに時間と料金早期削除に相当する課金。
  • Intelligent-Tieringモニタリング料金(自動階層移動の代償)。
  • クロスリージョン複製レプリケーション自体のリクエスト宛先リージョンのストレージ転送料

とにかく保管単価だけ安ければよい」と選ぶと 取得パターンで逆に高くなる、という誤答が作られやすいです。

S3 Storage Lens とコスト可視化

Storage Lensバケット横断でストレージコストや非最適なクラスを可視化します。料金はダッシュボードの利用に応じます。詳細は S3の分析と監査 を参照してください。

公式ドキュメント(深掘り)

重要ポイント

  • S3 料金は 5 つの柱:ストレージ × クラス、リクエスト(PUT/GET)、取得、転送、管理機能
  • Standard-IA/Glacier は最低保存日数 × 取得料という落とし穴
  • クロスリージョン複製は転送料が発生(レプリケーション リクエスト料も)
  • EBS は月額固定で単位容量の支払い、S3 は利用量に応じた従量課金
  • Intelligent-Tiering でアクセス頻度の不確定なデータを自動最適化

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